松原ぼたん
あなたを壊すのは楽しいでしょうか?あなたを殺すのは楽しいでしょうか?
あなたがいなくなると楽しいでしょうか?
魔族にも感情というものはあります。
人間には信じられないかもしれませんが、喜怒哀楽すべてそろっているのです。
けれどいつからか、僕はそれらに、特に楽しむと言うことに縁遠くなっていました。
『いつもにこにこ楽しそうに笑っているのにね』
きっとあなたはそう言うでしょうでしょう。
けれど僕のその表情自体には深い意味がないとも本当は思っているのでしょう。
だけどね、リナさん、それは間違いなんですよ。
確かに貴方に出会うまでは仮面をつけているようなものでした。
何をしようと、誰を殺そうと表情を変える必要はなかったのですから。
けれどあなたのそばにいるとどういう訳でしょう、自然と笑みがこぼれてくるのです。
誰かといることが楽しいなどと思ったのは初めてでした。
どうしてなのでしょう? 今まで敬愛する上司様と共にいてもこんなことはありませんでした。
いえ、そんなことはもうどうでもいいのです。
どうすればずっと楽しくいられるでしょう?
どうすればもっと楽しいでしょう?
あなたをこの手で壊してみましょうか?
あなたをこの手で殺してみましょうか?
そうすればもっと楽しくなるでしょうか?
・・・・それとも・・・・。
あなたを壊すのは哀しいでしょうか?
あなたを殺すのは哀しいでしょうか?
あなたがいなくなると哀しいでしょうか?