松原ぼたん
空が白み、月が消えゆく。愛しいあの人は、この腕をすり抜ける。幾ら祈っても、夜は明けてゆき、待つ時間のみ、日々長くなる。
愛しいあの人は、闇を纏う存在(もの)。光を望むは、我が罪なのか。
混沌と永遠と、暗闇と罪悪と。
愛しいあの人は、魔に連なる存在(もの)。
貴方を求め、何を手放そうとも、愛しいあの人は、この腕をすり抜ける。
毎夜に変わる月を見て、永遠を見失う。今目の前にいる人も、いつかは変わり去っていく。
愛しいあの人は、私と違う存在(もの)。異なるために、惹かれゆくのか。
約束と裏切りと、まやかしと望む夢。
愛しいあの人は、私の知らぬ存在(もの)。
もし同じ存在になれたら、ずっとそばにいてくれますか・・・・?
愛しいあの人は、魔に連なる存在(もの)。
愛しいあの人は、私の知らぬ存在(もの)。