eine wilde Rose

松原ぼたん 


 ──リナさんは、永遠に僕が手に入れることは出来ないのですね・・・。

 

 とあるとき、とある場所、とある魔族の物語。

 その魔族はあるときとある少女に出会いました。

 魔族はその少女を好きになりました。手に入れたいと思いました。

 魔族はその少女を殺し、骸をクリスタルの中に閉じ込めました。

 魔族はそれ以外の手段を知りませんでした。

 これで少女は永遠に彼が好きになったときのままです。

 けれどどうでしょう、あれだけ執着したはずなのにそれは魔族の好きな少女ではもうありませんでした。

 こうして魔族は永遠に彼女を失いました。

 魔族は自分の意思で行動する少女が好きだったのですから。

 

 ──どうして笑ってくれないのですか?

 


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