TABLE-3

ももじ


 《あらすじ》

TVスレイヤーズレギュラー獲得をかけて、各キャラが多くのパターンを演技し

自分を売り込むというL様主催の戦いが始まった。

L様がレギュラー獲得はヤバそうなキャラに悪知恵…提案を持ちかける。

ヴァル・フィリア・ガーヴは18…もとい痴話ゲンカがコンセプトでゼロスとコンビ。

一方ガウリィは自分とうり二つの『ロストユニバース』敵役二枚目キャラ、

ナイトメアに扮し、獲得を目指すようゼロスが計画したが。

 

【後編】―ガウリィ IN THE “ロストユニバース”

 

宇宙−すべての存在がちっぽけですべてが空っぽに還る場所。

意味不明のモノローグの似合う場所。

無数の星が瞬く中、人は自分が生まれた意味なんぞ考える。

 

ガウリィ、彼はどうだろう?

そもそもスレイのキャラにとっちゃ、ケインが抱えている精神的な弱さは既に

理解不能であり、ケインがうまれいづる悩みとするところの問題は問題じゃないのだ。

それ故に彼は強い。何しろスレイのクラゲである。

 

大体敵役のナイトメアで潜り込むよう手配したが、

彼はケイン達と宇宙船の中で談笑していた。既にゼロスの計画は程良く狂っていた。

L様はこれがねらいだったらしい。

 

「設定は諸刃の剣、設定が連載小説の足かせになることはよくあることよー。」

 

L様はスコップ磨きをしながら、ゼロスに向かって高笑いをはじめた。

単に考えてないだけなのでは、というツッコミを呑み込んで

モニターのガウリィを見つめるゼロス。

 

「過酷です…こんなバカ…いやこんな恐ろしい方の設定では」

 

:ソードブレイカー内

「なあ、ケインっていったっけ?この世界って、リナがいたら3日で終わる話だと思うぞ」

「私はキャナル。あっちがケイン。それはタブーです、ガウリィ=ナイトメア。

 アホを撒き散らすんじゃなくて闇を撒き散らすのがあなたの役目よ。」

「なんっか緊張感ないのよね〜〜親近感あるその目つきといい…ホントに大丈夫?」

 

心配するミリィに、ぐっ!とガッツポーズを出してガウリィは答えた。

 

「大丈夫さ!さあ行ってくれ!!サイブレード、発進っ!!!!」

「ソードブレイカーだ!このクラゲッ!!それは俺の必殺技!こっちがサイブレード!」

「ああ、光の剣か〜!オッケーオッケー。ハハハそう怒るなよ演技だ!

 ってお前リナによく似てるなあ?」

 

ケインの顔を不思議そうにまじまじと見つめるガウリィ。

絶対素に戻ってるよなコイツ、などとぶつぶついいながらケインはため息をつく。

 

「俺をあんな暴力主人公と一緒にはされたくねーな。レイル、今日の仕事は?」

 

あれでもいいとこあるんだぞー!と背後で叫ぶガウリィをよそに、

ぱっ、とキャナルが画面を星間警察に切り替える。

移った瞬間、ガウリィを除いてその場にこける面々。

 

「ゼル?何やってるんだそんなとこでっ!?」

「コレもレギュラーのためだ、オレは残酷な魔導士なのさ。二カメ、こっち写せ。

 さて、仕事だ。ネットを利用してこのサイト内で老若男女姿を変えて

 取り引きしてるヤツだ。名前を変えているがIPが全部同じ、同一人物だ、

 相手は少々クラゲが入っているようだな。」

 

なるほど、と三人が多重音声でうなづく。ガウリィは首をひねったままである。

ミリィがにこやかに笑いかける。

 

「いいのよ、気にするこたないわ、多少バカだって生きていけるもの」

「あんた優しいな〜ケイン、良い子じゃないか!何で泣かすような真似をするんだっ!」

「泣かしてないだろっ!!」

「え?そういう話じゃないのか??」

「じーさん相手に話してるみたいだ…」

「ダメだなァ、そんなことじゃナイトメアに負けちゃうぞっ!」

「お前だお前!ナイトメアはあんたの役だよ!」

「え?ああそうだった、オレミリィの兄貴だっけ?ミリィ、お兄さんと呼んでいいぞ。

 なんか嬉しいな〜」

「マスター…お疲れさま………。」

 

キャナルは二人に共通のモノを感じて黙ったままである。

再び、ガウリィは沈黙を破った。

 

「あのよ〜キャナル?質問なんだけど」

「今度はなーに?ガウリィ、じゃないナイトメア」

「その衣装…キツイものがないか?」

 

−ガタンッ!

 

ケインが勢いよく立ち上がった。

 

「このマントはばーちゃんの形見だそりゃちょっと今時プッなのかもしれねェそれが

 ねえと俺だってわかんないとかオカマに見えるとか色々あるけどよ俺にとっちゃ

 大事なもんなんだよ!!わかったかっ!!!!!!」

 

ガウリィはにこ目で答える。

 

「ああいいんだいいんだ、そこに誇りを持ち続けてくれ。短気は損気だぞ、ケイン君。

 オレが言ったのはキャナルとカーリーだよ、コスプレなのか〜?

 “ま●だらけ”の店員みたいだよな、って。」

「ソードブレイカー、ガウリィ=ナイトメアに一番近いドア解放!ロック解除!

 船外に目標を発見と同時にプラズマブラスト発射!!」

「なななななんだーーーーーーッオイ!リナーーーーーーーッ!!!」

 

必死でドアにつかまっているガウリィ。全員しらんぷりである。

ケインは安らかな笑顔でこういった。

 

「ミリィ、宇宙一の料理、作ってくれないか?」

「あ、きったね。お前やっぱり主人公だっそういう所リナにソックリだーッ!!!」

 

(モニター外)

「ガウリィのヤツ…帰ってきたらドラスレだわ」

「やっぱりクラゲは重力がないとダメみたいですね。

 リナさん、僕が引き受けましょうスリーサイズ。」

「ゼルガディスさん、がんばって!その調子っ!」

「その調子ってアイツ何もしてないわよ、アメリア」

 

−ケインは、ウィンクをしながら振り向いた。

 

「さぁて、ビジネスの始まりだ〜!」

 

すっかり開き直ったガウリィがぶら下がりながら、ケインに話しかける。

 

「恥ずかしくないか?一人で会話してて。全国ネットで流れるんだぞ?うん?

 お兄さんは心配だ!オレだけは聞いてあげるからなっ!いったい何があったんだ?」

「てめーは黙ってろっ!!!!!!!!」

 

−プツ。

 

音信不通です、というキャナルの声が響き、モニターはノイズだけを映し出していた。

 

〜結果発表へつーづーく!〜

 

スレ・ロスト入り交じっての混沌化のファイナル第4回は、

怒っちゃイ・ヤ・よ…としかいいようがない(汗)

ロスユニご存じで無い方のためにあらすじをつけましたが、わかりにくいあらすじ(笑)

コミックスは連載中、小説も4巻まで。アニメはビデオ化、各メディアごと面白い作品です、どうぞ読んでみてくださいネー

(注;この小説とは一切関係ありません・笑)